手を伸ばせば、届く距離まで。



そんな想いを引きずりながら、2年がたつ。



「圭!おい圭コラ!」


バンバンと背中を叩かれる。


不意なことに咳き込み、寝ぼけた顔で見上げる。


光がまばゆい。


「圭、遅刻すんだけど!やばいって、起きろって!」


時計に目をやると、確かに8時を示していた。


あと15分しかない。



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