手を伸ばせば、届く距離まで。



ということで、俺と華織は自販機の前に来ている。


「………………」


「………………」


き、気まずいな。なんか。


―――ガタン、ガシャッ。


缶が落下する音がして、中からそれぞれ取り出す。


桜の花びらが、ちょうど缶に乗っかった。


「あ。キレーっ!」


それを、華織は目を輝かせて見る。


へえ…華織って、こういうの好きなんだな。



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