手を伸ばせば、届く距離まで。



突然だったから、華織は目をパチクリさせた。


だんだんと、冷静になる。


すると華織は、ニッコリと太陽の笑顔になった。


ドキ、と胸が波打つ。


「…うん。うん!」


子供のように何度も頷く。


あ、頭なでたいな…。


衝動に駆られ、ふわりとした感覚で手を置いた。


「…あ」


温かい。


抱きしめたくなったが、それはせめてやめておいた。



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