手を伸ばせば、届く距離まで。



――――――


「え…亡くなった…?」


抱きかかえた悠生の腕と足には、かすり傷だけがあった。


白衣の医者は、何と言っていいか、困惑したように説明する


「赤信号を悠生くんが渡ったところ、大型車が走ってきまして」


「庇って…お亡くなりに?」


華織が、息を止めた。


俺は、言葉が見つからなかった。


ふと疑問。



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