手を伸ばせば、届く距離まで。



わたしも、誰かに愛されたかったなあ…



いつも孤立してた。


神崎の名前から、人は誰も近寄ってこなかった。


『権力でクビにされる』


どこにでも、そんな噂が付きまとってた。


お兄ちゃんも、最初は孤立してたみたいだけど


しばらくして友達を家に連れてくるまでになった。


あたしはいつまで経っても、…一人のままで。



「寂しい…」



温もり。それが圭だったから。



< 533 / 557 >

この作品をシェア

pagetop