手を伸ばせば、届く距離まで。



「生きてる…。


 ちゃんと、あいつは守ったんだ…
 ちゃんと、あいつが生きた印は残ってる…!


 橘あぁ…!!」



そして


堰を切ったように、真樹の声と涙が溢れ出す


…悠生は、きっと


皆の、希望になったんだと思う。


俺も、真樹も、華織も。


悠生が“生きてる”のは、皆の命があったからこそ。


…ありがとう。



真樹はそう言うかのように、延々と泣き続けた。



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