手を伸ばせば、届く距離まで。



真樹はガクンと頷く。


すると神崎は、持っていた花束を真樹の膝に置いた。


「ご冥福を、お祈りいたします。お前の大切な後輩へ」



真樹は、声を上げて泣き出した。


周りがつられて泣き出したり、騒然とする中


神崎が、真樹の背中に手を置いていた。


優しく


それは、社員、友達を慰め守る優しい手だった。



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