手を伸ばせば、届く距離まで。



父さんは笑って「遅刻するぞ」とだけ言い、部屋を出た。


―――警察官になりたい。


15歳になり、本気でそう思うようになった。


父さんや母さん、真樹おじさんも守りたい。


かつて


俺も守られたように、誰かを守りたい。


「悠生ー!」


「はーい!はいはいはい」



強く、なろう。


大好きな人たちを、守るため











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