手を伸ばせば、届く距離まで。



キッチンに立つと、ふわりとした華織特有の香りがした。


「…良い匂い」


「え?何か言った?」


「いや。今日は、何を食べる?」


「おむらいすー!」


おあっ…あ、トオノか。


我が意見をとばかりに、トオノは片手を挙げて叫ぶ。


華織に目をやると、『食べたい』という顔をしていた。


どうやら、姉妹してオムライスが好きらしい。


「…よし。」


作りますか。



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