手を伸ばせば、届く距離まで。



――――――



「ひゃー!おいひー」


キャッキャッ、と笑って食べる華織とトオノ。


目の前には、オムライスがホカホカと湯気を立てている。


「トオノ、ずっとおむらいすー!」


「お姉ちゃんもオムライスー!」


実に楽しそうな姉妹である。


こんなに人の料理を喜んで食べる人、初めて見た。


「美味しいよ、圭」


でも…


全然、悪い気はしないな。



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