手を伸ばせば、届く距離まで。



さして傷ついた感覚はない。


たぶん、信用してないからだと思う。


だけどそれ以上に、罪悪感が胸を占めている。


中心にいるのは、華織だ。


華織の…そばに、いてはいけない。


「ねえ、圭…」


「俺も、一人で勉強するな」


顔は、合わせないようにした


見られたくなかった。


わざと華織を傷つけるようなこと、やりたくなかったのに。



< 77 / 557 >

この作品をシェア

pagetop