手を伸ばせば、届く距離まで。



そんなことがたびたび起こった。


そして華織は、たくさんの友達の“キズ”を背負い、生きてきた。


俺は知っているよ。


つらかっただろう、苦しかっただろう。


見て見ぬフリするのが一番ツライと、華織は助け続けていたんだよな。


…俺、バカだ。


そんな華織を


今まで助けたことなんて、なかった。


俺はしょせん、裏切り者だったんだ。



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