手を伸ばせば、届く距離まで。



突き刺さった刃は、しかし俺の心を燃やした。


思い出す。


『西高?』


俺も華織に、同じように聞き返したのだ。


『だって…音楽を目指すって…』


『音楽は、大学にもあるから。今はあたし、西高等学校を目指したいの』


信じられなかった。


音楽の高校に行くのなら、俺のレベルでも目指せたのに。


『…真樹が嫌なら、別れても良いんだよ…?』



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