手を伸ばせば、届く距離まで。



同じ高校に行けないのはイヤだ。


けれど、別れるのはもっとイヤだ。


俺はその気持ちを伝えた。


華織は優しく笑った。


『じゃあ、三人で西高を目指そっか』


―――三、人…?


『圭も、西高目指してるの。あたしが西目標にしてるのは、秘密だけど』


圭。


その名前さえなければ、俺は高望みなんてしなかった。


ライバル、さえ…



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