青空ペダル
「おい、弥尋。」
「!!!!!!!!」
目を閉じて、直ぐに頭上から聞きなれた声が降って来た
目を開けると、頭の上にしゃがみあたしの顔を覗きこむ知った顔
「うわぁぁぁあ」
「ちょ、んだよ!いってぇ!!」
吃驚して起き上がると"ゴン"と酷い音が地味に響く
(ツッ~痛い…おでこぶつかった)
額を抑えながらもう一人、物凄く痛がる私の彼氏である遠野雅に恐る恐る視線を向ける
「み、雅?大丈夫…?」
しゃがんで一行に顔を上げない雅が少しいや、かなり心配になり声をかける
「大丈夫じゃない!!!なんで、いきなり起き上がるんだよ!!」
「、だ、だって!雅があんな近くに居るから!!」
涙目で顔を上げるとあたしに怒鳴って来ると、何故かあたしも言い返す
だってさだってさ!キ、キス出来そうな距離だったんだもん
恥しくて恥ずかしくて…
「んとにぃ。あ?お前もしかして、サボり?」
同じ様に額を撫でながら立ちあがると冷めた視線を向けて来る
顔を軽く上げるといつものパーカーにジーパンというラフな格好
少し長い茶色い髪を後ろで軽く束ねてる
その姿は誰から見ても、イケメンそのもので誰も三十路前のおっさんなんて思わないだろう