そしていつかの記憶より
乃架ちゃんが意気込んで、カードを取る。




「ふふっ、ずばり、今回も私が勝ちます」




自分のカードを見てから、乃架ちゃんはにやりと笑う。






「「「・・・っ!」」」







その言動と自信に満ちた表情に皆恐れて、次々とドロップする。
気がつけば、乃架ちゃんと加奈先輩だけ残った。



「ねぇ、のっちぃ、本当にそれは強いのかしら?」
くす、と加奈先輩が笑う。


「・・・っもちろんです!」
「そう、じゃあ、レイズしようかしら」



そう言って自身の100円玉を乗せる。




「・・・いいでしょう、乃架もレイズします!」


二人でレイズしていき、掛け金がなくなったところでお互いのカードを見せ合う。







「ワンペアよ」「ワンペアです」









しん、とその場が静かになる。



ワンペアというのはポーカーの役の中でもっとも弱いものだ。
しかも二人のカードは7が2枚で同じ。



「・・・わー・・」
私は驚いて間抜けな声を出してしまう。




「引き分けってこと・・?すっげー」




駆け引きがうまいというか、なんというか・・・



「わ、私なんてストレートでドロップしちゃいました・・」
「あら、もったいないわ・・」
「そうですよ、いつか先輩っ」





恐るべし、ギャンブルマスター・・・
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