そしていつかの記憶より
「あ、そうそう。いっちゃん!
もうすぐ新1年生が来るんだし、どうやって募集するか決めようと思ってたのよ~。何か良い案はないかしら?」
「あ、もうそんな時期ですか・・」



大学入学してから事故までの記憶がない私にとっては、もうすぐ大学2年生になるという実感がイマイチ湧かない。

しょうがないと言えばそれまでなんだけれど、何だか他の人よりも思い出がないような感じがして少し寂しかったり。



「無難に、サークル紹介で紹介したり、後はポスター配ったり貼ったりっていうのがいいんじゃないですか?」
「やっぱりそ~お?」
「あ、加奈センパイ加奈センパイ、俺、歓迎会したいっす!」


思いついたように乗り出すささくん。

その言葉に、陽子は「あ、いいかもね」なんて楽しそうに言う。




「そーねー・・・あ、ふみくんはどう思う?」
「そですね、俺もいんじゃないかと思います。」





木原くんは、そう静かに主張してから、水をぐいっと飲んだ。



「あ、あと、出来るだけ男がいいと思います。男のほうが賭け事好きな奴多いと思いますから」

「あ、確かにそーね。ふみくん冴えてるぅ~」







加奈先輩の緩やかな口調の褒め言葉を、木原くんは苦笑いで返した。
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