生まれ変わってもキミが好き【完結】


「テスト前にも、あんだけ勉強見てやったのに。
俺が個人的に教えてやって、この点数ってのはどういうことだよ」


「だから、苦手だって言ったじゃん」


「限度があるだろ。はあ……。100点満点中7点て。取る方が難しいぞ」


「う。ご、ごめんなさい……」




ここは素直に謝っておいた方がいいのかも。


あんまりひどい点数取る生徒がいたら、担当の先生が怒られたりするのかな。

あたしのせいで日下先生が怒られるのは、嫌だ。



先生はしばらく黙って、あたしの悲惨な答案用紙を眺めたあと、小さく吹きだした。




「日下先生?」


「はははっ! いや、悪い。改めて、7点てすげーなと思って。
俺がいままで見た最低点は、10点だったんだけどな。まさかその記録を塗り替える奴がいるとは、思ってなかったよ」


「10点? 前の学校の生徒?」


「いや。死んだ幼なじみの話」


「え……」




どきりとした。



あ、あたしの話?

あたし10点なんて、取ったことあったっけ?



うーん……あー、あった、かも。


中学1年の時、そんな点数取ったような覚えがある。


< 122 / 372 >

この作品をシェア

pagetop