生まれ変わってもキミが好き【完結】
その同窓会に、あたしの会いたい人が、来るのかもしれないじゃん。
いま何をしてるのかなって、よく思いだす人が。
会いたいけれど、もうきっと会えないんだろうなって、あきらめていた人が。
でも誰が来るのか、なんて、そこまでは聞けない。
さすがに怪しまれることくらい、バカなあたしにもわかる。
「卒業しても、また会いたいと思える奴らがいるってのは、幸せなことなんだ。
だから小鳥遊も、友だちを大事にしろよ」
「……うん」
日下先生は、『大事にしろ』とか『大切にしろ』って、口癖みたいによく言う。
清春や、親や、友だちを、大切にしろって。
あたし以外の生徒にも、よく言ってるみたい。
人を、大切にする。
周りにいる、たくさんの人を。
当たりまえのようで、でも出来てない人も多いと思う。
人を、大切にする。
これまで何があって、日下先生はその言葉を口にするようになったんだろう。
あたしの知ってる『るいち』は、そういうクサいことを言うタイプじゃなかった。
口には出さずに、実行するところがあった。
かっこつけてるな、なんて、思ってたっけ。