生まれ変わってもキミが好き【完結】
「じゃーね、清春! また明日!」
いつも通り清春と帰ってきて、家の前で片手を挙げてそう言って、急いで家に入ろうとしたんだけど。
パシリと清春に左腕をつかまれて、阻止されてしまった。
見上げれば、眠そうな目があたしをじとーっと睨んでいた。
もう、なに!?
急いでるのにー!
「なに、清春っ?」
「なんで、また明日? あとで部屋行こうと思ってたんだけど」
え? ああ、そうか。
清春はいつも、夕食の時間まであたしの部屋に入り浸ってるもんね。
そりゃあ不思議にも思うか。
「あ、今日はダメ。ユキちゃんたちと遊ぶ約束してるから!」
「ああ、なんだ。そういうこと」
「そういうこと! じゃーね!」
「……なんか、焦りすぎじゃない?」
ぎくぎくぎくっ。
やっぱり清春は鋭い。
ぼけーっとした半目のくせにっ。
でもここでバレるわけにはいかない。
バレちゃったら、絶対止められるもん。