生まれ変わってもキミが好き【完結】
あたしはその中で、おいてけぼりをくらって、
呆然と、ただ前を向いたまま、泣いていた。
自分の愚かさが、どうしようもなく憎くて。
大切な人を傷つけてきた自分が、どうしても許せなくて。
生まれ変わって、以前のことなんて全部忘れて、のうのうと生きてきた14年間を後悔したくなって、悲しくなった。
小鳥遊凛としてのこれまでを、否定しそうになってしまって……。
どうしたらいい?
どうしよう、清春……っ。
「お客さま? 大丈夫ですか?」
突然すぐそばから声をかけられて、びくりと体が揺れた。
横にさっきの店員さんとは違う、50代くらいのおばさん店員がいつの間にか立っていて、心配そうにあたしの顔をのぞきこんでくる。
「どうかされました? 具合でも?」
「い、いえ。なんでも……」
「でも、顔色も……あら? あなた」
おばさん店員は、ぐっと顔を近づけてきて、まじまじとあたしの顔を見てきた。
しまったと思った時にはもう遅くて、
がしりと丸く太った手に、腕をつかまれてしまった。