生まれ変わってもキミが好き【完結】
「あなた、もしかして未成年じゃない?」
顔中のシワを深くする、おばさん店員。
逃がさないぞって感じで、腕をつかむ手の力が強くなった。
どうしよう、振りほどけない。
「ち、ちが……」
「高校生とかじゃないの? 1人? 誰か保護者は一緒じゃないの?」
「は、放してくださいっ」
おばさんの手から逃げようと勢い良く立ち上がったら、
その拍子に座っていたイスが派手な音を立てて倒れた。
あたしのバカ!
目立っちゃいけないのに!
日下先生に気づかれていないだろうかと、後ろを見てしまったのが、いけなかった。
「あ……っ」
こっちを見ていた先生と、思いきり、目が合ってしまったんだ。
「小鳥遊……?」
信じられない。
そんな声が聞こえてきそうなくらい、日下先生は目を見開いた。