生まれ変わってもキミが好き【完結】
ああ、バレちゃった。
絶対、見つかりたくなかったのに。
絶対絶対、見つかっちゃいけなかったのに。
あたしって本当に、何をやってもどんくさくて、上手くいかないんだ。
フォローしてくれる清春に、いつも頼りっぱなしで。
1人じゃなんにもできない。
「あら、お客さんこの子の知り合い?」
おばさん店員はあたしの腕をつかんだまま、日下先生をじろじろ見る。
「この子未成年でしょう? 1人で来てたみたいだから、警察にでも連絡しようかと思ってたんですけど」
警察、という言葉に血の気が引いた。
そんな、警察なんて。
そこまでおおごとになるなんて、考えてなかった。
どうしよう。
どうしようこわい。
日下先生だって、呆れて怒ってる……!
見限られる。
そう思ったのに、降ってきたのは、予想外に優しい声だった。
「警察に連絡する必要はありません。大丈夫です。私が保護者ですので」
大きくてあったかい手が、そっと店員から、あたしの腕を救い出してくれる。