生まれ変わってもキミが好き【完結】
どんな顔してみんなを見ればいいのかも、わからなくて。
前世の友人たちと、どんな風に向き合えばいいのかも、わからなくて。
でも……。
「んなとこ突っ立ってないで、こっち来て座んなよ」
優しげなかすれ声がかけられて、
つい、
本当につい、あたしは顔を上げてしまった。
優しい笑顔の親友が、あたしを真っ直ぐに見つめていた。
「どうした? 顔色悪いな。水でも飲むか? あ。ビールはダメだぞ」
ニヒヒと歯を見せて笑う芽衣子。
変わってない。
優しい親友。
誰よりも心温かい親友。
あたしの、大好きな……。
「あの!」
気づけばあたしは靴のまま、膝をついて席に上がって、芽衣子に迫っていた。
びっくりする芽衣子の顔をのぞきこむようにして、
伝えたい言葉を、彼女にだけ聞こえるように口にした。
これだけは、という言葉を。
「芽衣子のせいじゃないから」