生まれ変わってもキミが好き【完結】
「凛!?」
もう限界だと、ミュールを脱いだ時。
聞き慣れた声がして、前から走ってくる影を見つけた。
ジャージ姿の清春だ。
あーあ、こいつにも見つかっちゃった。
だめだなあ、やっぱり。
あたしバカだから、思った通りに進まないことの方が、断然多いや。
「どこ行ってたんだよ! おばさん怒ってるぞ……って、凛? なにそのカッコ」
「イメチェン」
「……もう少しマシな嘘ついたら? それとも冗談?」
「うるさいよ。ほっといて」
「凛」
清春の横を通り過ぎようとしたら、腕をつかまれて止められた。
本当に、いまは放っておいてほしいのに。
「そのカッコのまま家に帰る気? なんて言いわけするんだよ」
「どうでもいい……」
「凛。……わかった。とりあえず、俺の部屋来な。
確か凛が置いてった服があったはずだから」