生まれ変わってもキミが好き【完結】
そう言った清春に引っぱられるまま、あたしは清春の家に入った。
清春の両親は共働きで、2人とも帰るのがわりと遅い。
今日もそうだったみたいで、家の中はとても静かだった。
寂しいよね。
だから清春は夜はいつも、あたしの家で過ごす。
「清春」
「うん?」
「今日は、ごめん」
階段を上りながらそう呟けば、小さく笑われた。
「なにに謝ってんのか、わかんないよ」
清春の部屋に置きっぱなしにしていた服に着替えて、お母さんから勝手に借りた服やバッグは、紙袋に入れた。
最初から着替えを考えて持ってきていれば良かったんだなと、いまさら気づく。
本当に、つくづくあたしって考えなしだ。
おばさんの洗顔を借りて、化粧を落とした。
髪もざっと濡らして、もと通り。
洗面所の入り口でそれを眺めていた清春は、あくびをしながら鏡越しに聞いてきた。
「で? どこで何してたの。何回も電話もメールもしたのに、返事もしないでさ」
「ユキちゃんたちと……」
「あいつらとこんなに遅くまで遊んでたって? そんな嘘、明日学校に行けばすぐにバレるのに」
「……だよね」