生まれ変わってもキミが好き【完結】
お母さんは騙せても、清春は騙せない。
そんなのわかってた。
わかってて、それでも清春ならって……思ってるあたしは、ズルい。
「ごめん……」
鏡越しですら目を合わせられなくて、あたしはうつむきながら呟いた。
「まだ、俺には言えないの?」
清春の言葉に、肩が震えた。
怒っているようでも、悲しんでいる風でもない声だったけど。
でも、ひどく落ち着いていて、冷たささえ感じるほどで。
ようやく気づいた。
あたしまた、清春を傷つけたんだ。
清春の優しさに甘えて。
「ごめんの一言で、いつまでも俺が大人しくしてると思わないでほしいね」
「清春……」
「俺にだって、我慢の限界があるんだよ」
「ごめん、なさい」
言っちゃいけないって思うのに。
ごめん以外の言葉が、出てこなかった。
本当に、あたしってどうしようもない。