生まれ変わってもキミが好き【完結】
あたしは手を忙しなく組み換えながら、おそるおそる答える。
「逃げた、こと、とか……」
「とか?」
「ぐ……っ」
イジワル悪魔だ! 大魔王だ!
本気で怒ってるみたいだから、仕方ないのかもしれないけど。
あたしが全面的に悪いんだし、仕方ないのかもしれないけど。
けどさあ……。
「小鳥遊。おまえ、全然反省してないだろう」
「そ……そんなことは、ない、よ」
そうだけど?
って言っちゃいそうになったよ。
危ない危ない。
そんなこと言ったら、再起不能になるまでいじめられる。
「おまえなぁ。あそこで俺が気づかずに間に入らなかったら、どうなってた?」
「え。……警察呼ばれた?」
「で、補導されてたな。それならまだいいさ。
酔っ払いに絡まれたら? 変な男に万が一にでも言い寄られたら?」
「別に、声かけられたりも、なかったし……」
「たまたまな。あんな夜中にあんな場所で、あんな変なカッコして1人でいたら、危ねぇだろうが」