生まれ変わってもキミが好き【完結】


変なカッコって……。



なんかいちいちイラッとする言葉を挟んでくるのは、相変わらずだ。


でも、心配して言ってくれてるのは、なんとなくわかるよ。


昔は『るいち』のそういう優しさが、あんまりわからなくて、よくケンカになったっけ。




なんでいまは、わかるのか。



あたしが1度死んでるからとか、そんな理由じゃない。


前世より空気が読めるようになったからとかでもない。



ただ、日下先生が……



『るいち』が、昔よりちょっとだけ、素直になってるからなんだ。



それがわかったから、あたしはもう1度、深く頭を下げた。




「心配かけて、ごめんなさい」




『るいち』は、素直になってる。


あたしも、素直になりたい。


前世で死ぬ間際に、そう願ったことは、覚えてる。





だから『るいち』



置いて、行かないで。


< 164 / 372 >

この作品をシェア

pagetop