生まれ変わってもキミが好き【完結】
心の中で、大きなため息をついた。
うん、こうなるよねぇ。
もちろん、いくらバカなあたしでも、聞かれる覚悟はしてたよ。
ちゃんと、必死に言いわけも考えてある。
言いわけの演技だって、今朝鏡の前で実行済みなんだから。
「それは、あれだよ。昨日も言ったじゃん。今後の参考に! 同窓会ってどんなのか、興味あったからさ~」
「興味があるってだけで、俺の跡つけて、居酒屋に入ったのか?」
「そ、そう。やり過ぎちゃったかなぁとは、思ってるよ」
「本当に? 同窓会への興味だけか?」
じっと、綺麗なアーモンドアイが、あたしを見つめてくる。
真っ直ぐに。心を読もうとでもするように。
ああ……そっか。
そうだよね、普通そう思うよね。
日下先生は、疑ってるんだ。
あたしが、先生を本気で好きで、昨日あの場に行ったんじゃないかって。
だから、あたしは笑った。
笑いたくなんてなかったけど、目をそらしながら、笑った。
「そう……。それだけだよ」