生まれ変わってもキミが好き【完結】
確かに、あたしは昨日、そう言った。
『芽衣子のせいじゃない』って。
言わなきゃいけないことだと思ったから。
でも、その言いわけは、考えてなかった。
疑いの目を向けてくる先生に、あたしはその場から動けなくなる。
どうしよう! なんて言おう!?
「なんで、そんなこと言った?」
「そ、それは……き、昨日聞いてたから!」
「は? 聞いてた?」
「そう! 先生たちの話し、聞こえて!
自分のせいだって、あの人が泣いてたから。あなたのせいじゃないって、慰めたかっただけだよ~」
冷や汗をダラダラ流しながら、あたしは自分で自分を褒めたい気分になった。
なんて完璧な言いわけ!
これなら日下先生も、納得するしかないでしょう!
と、思ったんだけど。
先生はますます怪しげな目で、あたしを見下ろしてきた。
「本当かぁ?」
「ほんと!」
高速で、何度もうなずく。
ここは絶対、引いちゃいけない!