生まれ変わってもキミが好き【完結】
心臓が激しく、高鳴りだす。
話したい。
話しちゃいけない。
迷いながら、あたしが口を、開きかけた時。
「あ、いたいた! 小鳥遊さーん!」
背中に明るい声がかけられて。
振り返ると、深田くんが爽やかな笑顔を振りまきながら、こっちに走ってきていた。
「次の授業で使うプリント、持ってきてる? ちょっと見せてくんないかなー」
「深田、くん……。い、いいよっ」
ハッとした。
夢から覚めたような気持ちになる。
あたしいま、何をしようとしてた?
「ほんと? 助かるよ。……ええと、すんません。お取り込み中でした?」
日下先生を見て、深田くんが遠慮がちにそう聞いた。
先生はじっとあたしを見たまま、「いや」と呟いて、
そのまま廊下の向こうに消えていった。
「はあ。ありがとう、深田くん」
「ん? やっぱテストのことで、まだ怒られてたの?」
「うん、まあ、そんなとこ。……それで、ええと、プリントってなんだっけ?」