生まれ変わってもキミが好き【完結】
さっきは勢いで返事しちゃったけど、次の授業でプリントなんて出されてたっけ。
だとしたらあたし忘れて来たのかも。
そう焦ったけど、深田くんは大丈夫って笑った。
「プリントなんてないよ。さっきのは、小鳥遊さんを助けるために、適当なこと言っただけだから」
「助けるって……なんで?」
「あー、はは。なんか清春がさ、日下先生と小鳥遊が出ていくのを、ずっと目で追って気にしてる風だったから」
「清春が?」
「そう。だから気になるなら行けばいいじゃん、って言ったんだけど。行きたいのに行けない、みたいな感じだったから、俺が代わりにね」
「そっかぁ……。ありがとう」
その時の清春の様子が、目に浮かぶ。
ちょっとだけ、あったかい気持ちになった。
またケンカでもしたの? って深田くんに聞かれて、曖昧に笑って返した。
ケンカ、まではいってないと思う。
今朝は、昨日のことは忘れたみたいに、普通に話しかけてきたし。
でも、本当に忘れたわけじゃ、ないってことなんだろうな。