生まれ変わってもキミが好き【完結】
そんな風に、勝手に暴走して勝手に戸惑うあたしを、清春は冷めた目で睨んだあと、
タオルを思い切り、部屋の壁に投げつけた。
温厚な……とは、ちょっと違うけど、いつも感情をあまり表に出さない幼なじみが、そんなことをするとは予想してなくて。
びっくりして、動けなくなる。
いつもの清春じゃない。
まるで、別人みたいで、怖い。
「凛なんか嫌いだ」
かすれた声で呟いて、清春は部屋から出ていった。
また静かになった部屋で、あたしは力が抜けて、パタリとベッドに倒れた。
動悸がなかなか治まらない。
甘ったるい匂いが、清春の座っていたところに残っていて、ムカムカする。
「嫌いだって……子どもか」
あーあ。なにやってるんだろ、あたし。
そのあとは、自分にあきれて、ため息しか出てこなかった。
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