生まれ変わってもキミが好き【完結】
芽衣子は『るいち』とは違う高校だったから、友だちから聞いたそうだけど。
みんな、『るいち』を心配してたんだって。
「なくしたら、人が変わっちまうくらい、日下にとって、リンは大切な存在だったってことだよ」
芽衣子にそう言われて、あたしは泣いた。
嬉しかったんじゃない。
どうして死んじゃったんだろうって、心の奥に押しこめていた後悔がまた、溢れて止まらなくなったんだ。
もっと『るいち』には、輝かしい高校生活が待っていたはずなのに。
サッカー特待生で名門校に入って、大活躍して、国体にも出て。
『るいち』なら、プロにだってなれたはずなんだ。
その可能性を潰したのは、他でもない、あたしだった。
あたしが生きていれば……。
前世のあたしがバカだったせいで、そんな風に今世でもまだ、後悔が続いてる。
「あのさ……リン。日下に、話しちまえば?」
「ぶっ!?」
「うわっ! きったねぇなあ~」
予想外の提案に、あたしは飲んでたメロンソーダを吹きだしてしまった。