生まれ変わってもキミが好き【完結】
「確かにいるけど、それって話さない理由になるか?
リンが生まれ変わってたって知ったら、あいつ絶対に泣いて喜ぶぜ?」
「そうかな……。あたしはそうは、思えないよ。
『るいち』は絶対、困ると思うんだ」
だって『柏木リン』だってことを話したらきっと、
あたしは自分の気持ちも、『るいち』に伝えたくなる。
好きだって。
前世からずっと、好きだったって。
堪えられなくて、きっと言っちゃうよ。
「……奪っちまえよ」
「う、奪うって?」
「いまの日下の女から、日下を奪っちまえよって言ってんの」
「あたしが……?」
あたしが、『るいち』を、恋人から奪う?
そんなこと、出来るわけない。
想像もできないよ。
「リンが生きてりゃ、日下がよその女とくっつくこともなかったんだ。だから奪っちまえよ。
きっと日下は、リンを選ぶよ」
「本気で言ってるの? あたし、いまは小鳥遊凛なんだよ。中学生で、幼なじみでもなんでもない、ただの生徒なんだよ」
「関係ねーよ。リンがリンである限り、日下は絶対に、おまえを選ぶ」
芽衣子は、自信満々で言いきった。
その強気の根拠はまったくわからないけど、あたしの心は確かに揺れた。