生まれ変わってもキミが好き【完結】


「芽衣子数学教えてよ~」


「んなモン、とうの昔に忘れちまったっつーの!」




笑いあって、それからは『るいち』の話題は出さなかった。




芽衣子に話を聞いて、迷いがなぜか大きくなった気がした。


あたしは芽衣子に、「まだ覚悟できてない」って言った。

じゃあ、覚悟ができたら、話すの?



『るいち』に、すべてを話す。


それでいいの?

本当に?



死ぬ間際に後悔するくらい、好きだった。

いまもそれは、変わらない。


だから、生まれ変わったのは、神様が気まぐれでくれた、チャンスなんだって思ったりもする。



でも、


そう思うと同時に、日下先生の左手に輝く指輪が、頭をよぎるんだ。



そして次に、

だんだんと離れていく、いまの幼なじみの背中が頭に浮かんで。



あたしは何も、決め切れずに終わることを、繰り返した。












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