生まれ変わってもキミが好き【完結】
そう言って、ギターケースを置いて、深田くんはささっと机の上を片付けた。
うながされて、彼の前に座ってから気づいたんだけど。
密室なうえに、距離が近い。
こんなとこ見られたら、アリサに恨まれちゃうだろうなあ。
アリサだけならまだ良いけど、他の女子に知られたら……。
うん、深田くんに数学習ったことは、秘密にしとこ。
「とりあえず、範囲の中で絶対出るだろうとこ教えてあげるよ。家でもそこ重点的にやればいいだろ?」
「助かります~」
「ぶふっ! 小鳥遊さん、腰低すぎだろ!」
「全然低くないよ! あたしにとって深田くんは神様だから、むしろ床に座って正坐させていただきたい勢いだよ」
あたしは本気で言ってるんだけど、深田くんは冗談だと思ってるのか大ウケ。
わかってないなあ。
100点満点中7点取っちゃうような女だよ?
そんなあたしに手を差し伸べてくれた深田くんは、まさしく救世主なんだから。
イケメンなうえに優しいんだから、そりゃあ女子も放っておかないよね。
深田くんがモテる理由がよくわかった。
こんなにモテるのに、彼女がいないことが不思議でしょうがないよ。