生まれ変わってもキミが好き【完結】
「うん。俺の夢はメジャーいって、バンドで食ってくことだからさ。勉強なんてできなくていいの」
「ええっ?」
深田くんさらっと言ったけど……。
ほ、本気で言ってるのかな?
まあ確かに、音楽を仕事にするなら、学校の勉強なんてできなくてもいい……んだろうか。
深田くんは鼻歌を歌いながら、部屋に置かれていたアコースティックギターを用意手にとった。
「小鳥遊さん、好きなバンドとかある?」
「バンド? うん、あるよ。ミーハーに思われるかもだけど、パパノエルが好きなんだあ」
「へえ? パパノか」
「うん。ハルカさまのファンなの! あ、知ってる? 清春のあの髪、ハルカさまに対抗して染めたんだよ~」
「マジで!? ははは! やるじゃん清春!」
ハルカさまは別次元だから比べるのは間違ってるとか、
清春は常に眠たげにゆらゆら揺れてるから、あの銀髪がたんぽぽの綿毛にしか見えないとか。
深田くんとさんざん笑ってやった。
清春、ざまーみろだ!
深田くんのおかげで、イライラも、ちょっと収まったよ。