生まれ変わってもキミが好き【完結】
「深田くんは好きなバンドあるの?」
「んー? 俺もパパノ好きだよ。で、エイジが俺の目標で、ライバル」
「目標でライバル? エイジって、あのヘラヘラしたギターの人だよね。
あたし音楽詳しくないけど、あの人めちゃくちゃ上手なんでしょ?」
「まーね。でもいつかデビューしたら、あいつにだけは負けたくないんだ」
爽やかな笑顔で、さらっとそんなことを言う深田くん。
プロのギタリストを、あいつ呼ばわりって。
深田くんて、結構大物になるのかな?
いまのうちにサインもらっておこうか。
深田くんのギターの腕前は知らないけど、もしエイジと並ぶくらい上手なら、
深田くんはルックスも良いし、デビューしたら絶対人気ミュージシャンだよね。
「……すごいねぇ、深田くんは」
「すごい? 何が?」
「将来をしっかり見据えてるっていうかさ。あたしからしたら、正直夢みたいな話だけど、深田くんは本気なんでしょ?」
「本気だよ。音楽だけは、いままでもこれからも、ずっと本気でやってくんだ」
そう話す深田くんの顔は、自信に充ち溢れて輝いていた。
その夢は、絶対叶う。
見てるこっちが、そう感じちゃうくらい。