生まれ変わってもキミが好き【完結】
「あの、さ……」
気づけば、口を開いていた。
女友だちでもなくて、特別仲が良いわけじゃない、適度な距離がある深田くんが相手だから、
話してもいいんじゃないかって、思えたんだ。
「もし……もしもだよ? ずっと昔に、好きだった人がいて、好きって言えないまま、別れることになっちゃってね」
「うん」
「すごく、すごーく時間が経ってから、再会できたんだけど。
離れてた間に、その相手には恋人ができてたら……どうする?」
あたしの質問に、深田くんは目をパチパチさせてから、ゆっくりと首を傾げた。
ギターを弾きながら「うーん」とうなってる彼は、相当器用だと思う。
「どうするっていうのは? 告白するかしないかってこと?」
「う、うん」
「俺ならする」
深田くんはきっぱりと、断言した。
まるで迷う様子がなかったから、ちょっとびっくり。
それと自分がこれだけ悩んでるのに、あっさり答えられちゃって、
勝手だけどムッとしてしまう。
本気で考えてないんじゃないの、って。