生まれ変わってもキミが好き【完結】
言わなきゃ、始まらない。
確率が2分の1なのは、変わらない。
それは、あたしが考えもしなかったことだった。
やっぱり、深田くんてすごい。
何に対しても、真っ直ぐ前を向いてるんだね。
けどね、あたしはちょっと、違うんだ。
だってあたしは、告白してしまったら、自分が生まれ変わりだと話してしまったら、
フラれた時、すべて終わってしまう。
たぶん、幼なじみ同士にも、いまみたいな教師と生徒の関係にも、戻れない。
そのことが、いちばん怖いんだ。
「やっぱり、ムリだ……」
ため息をついて、机に突っ伏すと、不意にギターの音色が止まった。
そっと深田くんをうかがうと、いつもより厳しい顔をした彼がいた。
「相手の立場のせいにして、告白もできない、でもあきらめることもできない、なんて、うだうだ悩むくらいなら。はじめから好きになるなって、俺は思う」
その真っ直ぐで、遠慮のない言葉は、グサリと深く、あたしの心に突き刺さった。
すごく痛い言葉。
耳が、心が、痛いよ。