生まれ変わってもキミが好き【完結】
「よそ見なんてしてる時間ないからさ。彼女には恋人がいるんだ。だから俺は、少しでも早くそいつに追いついて、追い越して、勝たなきゃならないの。
じゃないと、いつまで経っても告白できない」
「勝たなきゃ、告白できないの?」
「負けたまま告白するなんて、男としてのプライドが許さないからさ。
大体ライバルに勝てるくらい強くなきゃ、彼女を守れないじゃん」
そんな男らしい、深田くんの恋愛観を聞いた時に、わかった。
あたしの中で引っかかっていたものが、なんなのか。
『るいち』が好き。
前世のことと、この気持ちをすべて話して、また昔のように、『るいち』の隣りにいきたい。
いままで離れていた分、誰よりもそばで、『るいち』を見ていたい。
強く、心から、そう思う。
でもその願いは、いまの『るいち』の幸せを壊してまで、叶えたいものだろうか。
日下先生や、恋人への遠慮なんかじゃない。
恋人から彼を奪えたとして、いまのあたしができることって、なんだろう。
いまの先生の恋人は、とても素敵な人なんだと思う。
その人以上に、いまのあたしは
『るいち』を幸せにしてあげられる?