生まれ変わってもキミが好き【完結】
清春の言葉に、そういえばあたし、泣いてたんだっけと気づく。
まだ濡れていた頬を、急いでぬぐった。
ぬぐいながら、戸惑う。
なんで清春、ここに来たの?
あたしのこと、怒ってたくせに。
それなのに、あたしの為に、仲良しの深田くん相手に、怒ってくれてる。
わけ、わかんない。
「あたし、別に、深田くんに泣かされたわけじゃないよ」
「じゃあなんで泣いてるの」
「それは……なんか、ギターに感動して?」
「は?」
わけがわかんないって感じで、清春が眉をひそめる。
そんな顔されたって、あたしもよくわかってないんだもん。
泣きたい気持ちにはなってたけど、泣くとは思ってなかった。
本当に、気づいたら泣いてたんだから。
「遅いんだよ、お前は」
深田くんは呆れ顔で笑いながら、清春の手を外した。
清春は思いきり、ムッとした顔になる。