生まれ変わってもキミが好き【完結】
日下先生の顔は真剣で。
それでいて、いまにも泣きだしそうな目をしていて。
あたしはもう、逃げられないと悟った。
「……琉一? どうしたの?」
観念して、全部話そう。
そう決心しかけた時、不意に女の人の声がして。
車から、その人が降りてきた。
ワンピースタイプのスーツを着た、スタイルの良い美人。
緩く巻かれた長い髪を揺らして、近づいてくる。
「皐月……」
「知り合い? でもなんだか、その子困ってるようだけど」
皐月と呼ばれた女の人は、あたしを見て、にこりと笑った。
この人だ。
この人が、『るいち』の恋人なんだ。
年上でカッコイイ、『るいち』を立ち直らせてくれた人。
この人が……。