生まれ変わってもキミが好き【完結】
家までもうすぐ。
すんなり車から降ろしてもらえるかな。
ムリだよなあ。
気まずいなあ。
身じろぎすると、持っていた紙袋からカサリと音がした。
そうだ、ジンジャークッキーをもらったんだ。
誕生日プレゼントに。
そっと紙袋の中をのぞきこむ。
そこには透明な袋にピンクのリボンで可愛くラッピングされたクッキーと、
小さなメッセージカードが添えられていた。
『お誕生日おめでとう、リン』
見覚えのあるお母さんの字。
なんで……?
凛ちゃんじゃなくて、リンって書いてる。
リンって、書いてあるよ、お母さん。
気づいたの? あたしだって。
それともただ、あたしにあたしを重ねただけ?
わからない。
わからない、けど……。