生まれ変わってもキミが好き【完結】
その背中を見つめながら、なんだか変だと感じる。
日下先生が、おかしい。
いままでと、何かが違う。
「凛。別に凛がやることないよ。女子ならいくらでも、日下先生に近づきたくてプリントでもなんでも持ってくだろ」
「清春……ありがと。でも大丈夫。プリント持っていくだけだし。係の仕事も最後だと思ってやるよ」
「じゃあ俺もついてく」
「大丈夫だってば。何そんなに心配してるの?」
「心配するに決まってる。凛は昔から危なっかしくて、目が離せないんだから」
「……万年無気力人間に言われたくないし」
廊下でそんな風に言い合っていたら、
深田くんに見られて、痴話げんかはよそでやれってからかわれた。
どこが痴話げんかに見えたんだろ。
でも廊下には、前に清春に近づいていた別のクラスの女子たちもいて。
彼女たちに思いきり睨まれたってことは、他の人にも多少そういう風に見えてるってことなのかな。
ただの、幼なじみなのに。
『俺の幼なじみは、小鳥遊凛ただ1人だ』
昨日清春もそう言ってた。
でも顔も声も、いつもと違って真剣で。
清春がどれだけあたしのことを、大切に想ってくれてるのかが、伝わってきたんだ。