生まれ変わってもキミが好き【完結】
昼休み、あたしは集めたプリントを持って職員室に来た。
でも日下先生はいなくて、とりあえず机にプリントだけ置いて廊下に出る。
たぶん、あそこだ。
行かなくてもいい。
頼まれたことは、ちゃんとしたんだもん。
だからこのまま教室に帰ったって、全然問題ない。
ないけど、あたしの足は気づけば非常階段の方に向かっていた。
係の仕事も終わると思うと、ちょっとだけ会っておきたくなったんだ。
教科係じゃなくなれば、会うのは教室だけになるだろうから。
静かに金属扉を開くと、やっぱり日下先生がいた。
階段の下の方で、こっちに背を向けて壁にもたれて座ってる。
そっと近づいて顔をのぞきこんだら、
「……寝てる」
煙草を吸ってるんだと思ったら、先生は目をつむって寝息をたてていた。
長いまつ毛の下。
うっすらと、隈ができてるのがわかった。
眠れなかったの?
それは、あたしのせい……?