生まれ変わってもキミが好き【完結】
それは
予想もしていなかった話しだった。
あの2人はずっと、強い絆で結ばれていて、愛し合ってる、幸せな恋人同士なんだと思っていたから。
それを想像しては、傷ついてきたから。
「日下と仲良い奴と、この間会ったんだけど。日下はどうも、女と距離を置いてるらしい」
「で、でも、結婚間近だったんじゃないの……?」
「相手の女はその気満々だったみたいだぜ? 今度両親に正式に挨拶する、くらいの話しまで出てたらしいし」
「だったら、どうして!」
思わず立ち上がったあたしを、芽衣子は静かに見つめて、指差した。
「リンがいるからだろ」
そのひとことは、
信じられないくらい重く深く、あたしの心に矢のように突き刺さった。
あたしのせい、なの?
「やっぱ日下は気づいたんだよ。おまえがリンだって。だからいまの女とは結婚できないと思ったんだろ。
そういう素振りなかったのか?」
「前とは違うって、感じてたはいたけど。でも、そんな……」
「リン? なにそんな、動揺してんだよ」
芽衣子の言った通り、あたしは自分でも不思議なくらい、動揺していた。
テーブルの下で握りしめた両手が、小刻みに震えてる。