生まれ変わってもキミが好き【完結】
「なんでここに……」
「リン? 誰だ?」
芽衣子が威嚇するみたいに清春を見るから、慌てて幼なじみだって説明した。
前から清春のことは話していたから、芽衣子はすぐに納得してくれたみたい。
じろじろと、清春を見て、ニカッと笑った。
「会いたかったぜ清春! あたしはリンの親友の辻芽衣子ってんだ。よろしくな」
清春にすべて話したことは、芽衣子にも伝えていたんだ。
親しげに自己紹介した芽衣子を、清春はいつもの無気力で興味なさげな目で見返している。
「どーも。うちの凛がお世話になってます」
「ははは! そりゃこっちのセリフでもあるな!」
「……凛。話しがある。ちょっと来て」
豪快に笑う芽衣子をムシした清春に、手を引かれた。
なんだか、清春が怖い。
「話しって? ここじゃダメなの?」
「ダメ。外に出よう」
「芽衣子……」
「いいよいいよ。すぐ戻ってくんだろ? 待ってっから、気にすんな」
そうじゃなくて、止めてほしかったんだけどなあ。
こころよく手を振る芽衣子に見送られて、あたしは清春に引っぱられながら、店の外に出た。
途端に、むわっとした空気に包まれる。
清春は店の横の日陰に移動して、あたしを壁を背中に立たせた。